2010年度
講 義 概 要
甲南大学 文学部 人間科学科 専門科目 |
演習T・U・V |
担 当 :谷口 文章 配当年次:3・4年次/単位:4単位 講義日時:通年 金曜日 4限 ★講義の内容・目的 人間・環境学を中心とした本演習では、一方で人間と環境についての新しい理論を研究しつつ、他方で臨床的・フィールド的な身体知を培っていく。このような理論の探求では、人間をめぐる環境倫理と生命倫理を研究することになる。 まず、パーソナリティと心の形成のメカニズムを明らかにする。次に、人間が地球環境の破壊をもたらした原因を追求し、環境倫理学の構築をめざす。さらに、環境の主体である生命の概念と深くかかわる医療環境や脳死・臓器移植そして癒しの諸問題を、生命倫理学の立場からとりあげる。 さらに、オフキャンパス・アクティヴィティ(甲南大学環境教育野外施設のフィールド活動や国営明石海峡公園「あいな里山公園の創造」[国土交通省]のような環境活動)を通じて、人生の諸問題を解決する能力である「知恵」をみがく。さらに、例えば自然環境において身体行為を伴った環境教育をおこなうことによって,心に病いをもつ現代人を健全なものにする試みも実施する。 本演習では、今年度とくに、生命倫理と環境倫理を架橋とする「ケアの倫理」について研究する。 |
哲学思想基礎論 |
担 当 :谷口 文章 配当年次:1年次/単位:4単位 講義日時:通年 水曜日 3時限 ★講義の内容・目的 人生の意味は何か,世界をどのように見るか,人間はどのように行為すべきかの諸問題を検討する。そのために,人生の意味,世界の見方,行為のあり方について考察する。 ★講義構成 1.人生の意味:生と死,挫折と希望,愛と虚無,幸福論,老いと病い 等 2.世界の見方:社会と制度,法と経済,自然と環境,言語と文化 等 3.行為のあり方:精神と意志,自由と義務,行為と価値,理想と現実 等 |
哲学思想史 |
担 当 :谷口 文章 配当年次:3年次/単位:2単位 講義日時:前期 金曜日 3時限 ★講義の内容・目的 哲学は現実にアクションできる思考を訓練するものである。その意味で,イギリス・アメリカの経験論を系譜とした哲学思想史をテーマ別に追っていく。 ★講義構成 01. A. スミスの「理想的観察者 ideal observer」論 02. ベンサムとミルの功利主義とカントの義務論 03. ベンサムの量的功利主義 04. ミルの質的功利主義 05. カントの義務論 06. パースの問題解決方法 07. ジェイムズの純粋経験 08. ディーイの経験主義的教育論 09. ローティの会話論 10.現代における哲学の役割 |
環境学基礎論T・U |
担 当 :谷口 文章 配当年次:2年次/単位:2単位 講義日時:通年 火曜日 1時限 ★講義の内容・目的 人間の環境は、身体と行動を介して自然環境、社会環境、心の環境が成立すると考えられる。それらの環境は、人間とは無関係に成立しているのではなく、人間と相互作用することで自己形成される。 「自然環境」では、人間が適度に関与することで生態系が維持されている。例えば、森林の保全や農耕によって自然環境は健全に循環する。「社会環境」では、経済活動など人間の関与が大きい。そしてその社会現象も、自己組織的にシステムが出来上がる。例えば、商品の価格も市場において自己組織的に決定される。 「心の環境」では、いうまでもなく人間自身の問題であり、それは“心のあり方”が中心となる。例えば、親子関係において、神経質の親は神経質な子どもを育てることになり、その子の心は母親のそのような性格を内化して自己形成されることになる。 このように、自己組織のシステム論、生態学的心理学、環境教育学などから主体と客体が“複雑に”相互作用することによって自己形成される「人間の多様な環境」を環境学の観点から考察していく。 ★講義の構成 1. 自然・社会・精神環境の自己生成とその展開 −自己組織的システム論− 2. 生態学的心理学による環境認知論 −アフォーダンス論− 3. オートポイエーシス理論−内部観測をめぐって− 4. 心の形成と治癒としてのビオトープづくりと箱庭療法 |
国際環境教育ネットワーク |
担 当 :谷口 文章,マノジュ・L・シュレスタ,西 欣也,浅野能昭 配当年次:3・4年次 単位:2単位/講義日時:前期 土曜日 1・2時限 隔週 ★講義の内容・目的 地球環境問題の解決のためには,「グローバルに考え,ローカルに活動する」ことが重要である。そのため,本講義においては,グローバルな視野から海外の環境情報や環境教育の現状について知るために,テレビ会議システムを利用し,ラジャバト=プラナコーン大学(タイ),北京大学(中国),マラヤ大学(マレーシア),環境省,国土交通省等と甲南大学を結び,リアルタイムのe−Learning(遠隔授業)を行う。それぞれの大学や機関はゲストとして,メッセージや情報を送ってもらう予定である。海外との講義は英語で行われるが,本学の学生は日本語でのコミュニケーションでもよい。なお,本講義は教職科目,学芸員科目にも充当できる。 ★講義構成 第1回 オリエンテーション:「本講義が目指すネットワーク」:担当者(谷口) 第2回 環境省からのメッセージと国際環境政策:担当者(谷口,環境省きんき環境館) 第3回 農業と環境:担当者(谷口・ゲスト) 第4回 タイにおける地球温暖化活動:担当者(谷口,チナタ・ナガシンハ:プラナコーン大学) 第5回 地球環境問題とネパールの環境教育:担当者(シュレスタ) 第6回 タイの農業と環境:担当者(谷口,シリワット・スンダロトック:プラナコーン大学) 第7回 自然観の比較文化論:担当者(西) 第8回 国営あいな里山公園(「あいなの里山」創造活動):担当者(谷口,西,国土交通省) 第9回 中国の環境教育の政策と北京大学の環境教育:担当者(谷口,劉:北京大学) 第10回 タイ・中国・日本の環境教育ネットワーク:担当者(谷口,チナタ・ナガシンハ:プラナコーン大学) 第11回 北海道と九州の国立公園の環境保全活動:担当者(谷口,浅野:環境省) 第12回 マレーシア・日本の環境教育ネットワーク:担当者(谷口,バハルディン:マラヤ大学) 第13回 まとめ−地球環境問題の解決に向けて−:担当者(谷口) 第14回 TV国際シンポジウム:担当者(谷口,ナガシンハ,劉) |
国内環境教育ネットワーク |
担 当 :谷口 文章,西 欣也,今井 佐金吾,浅野能昭,高阪 薫 配当年次:3・4年次 単位:2単位/講義日時:後期 土曜日 1・2時限 隔週 ★講義の内容・目的 地球環境問題の解決のためには,「グローバルに考え,ローカルに活動する」ことが重要である。本講義においては,日本においてのローカルな活動を主として学ぶ。そのために,テレビ会議システムを使用し,宮城教育大学,広島修道大学,環境省,国土交通省等と甲南大学のネットワークを結び,リアルタイムでのe‐Learning(遠隔授業)を行い,各大学や研究・行政機関で行なわれている環境教育について学ぶ。それぞれがゲストとしてメッセージや情報を送ってもらう予定である。なお,本講義は教職科目,学芸員科目にも充当できる。 ★講義構成 第01回 オリエンテーション:本講義が目指すネットワーク:担当者(谷口) 第02回 環境省からのメッセージと国内における環境政策:担当者(谷口/環境省きんき環境館) 第03回 日本における林野政策と森林環境教育(谷口) 第04回 北海道・九州の国立公園におけるマネジメント:担当者(谷口/浅野) 第05回 地方行政における環境政策:担当者(谷口/西) 第06回 国営あいな里山公園(「あいな里山」復元活動):担当者(谷口/国土交通省) 第07回 大気汚染・ダイオキシン・環境ホルモン問題:担当者(谷口/今井:広修大) 第08回 広島修道大学における環境教育の取組:担当者(谷口/今井:広修大) 第09回 環境問題と化学物質(今井:広修大) 第10回 宮城教育大学における環境教育のアーカイヴ化の展開:担当者(谷口/宮教大) 第11回 コメと環境文学:担当者(高阪) 第12回 沖縄の環境にみる伝統文化:担当者(高阪) 第13回 まとめT(国際・国内環境教育ネットワーク):担当者(谷口) 第14回 まとめU(学生との討論):担当者(谷口) |
環境・芸術文化論 |
担 当 :谷口 文章,川田都樹子,西 欣也,戸田 耿介 配当年次:2年次 単位:2単位 講義日時:後期 水曜日 2時限 ★講義の内容・目的 「環境」というと環境問題を想いおこすが、本来、環境は生命をとりまく空間であり、すべての生命が快適に生きていく身の周りの空間のことである。したがってこの講義では、環境問題を中心とするのではなく、環境の創造、またそれを精神的に支える芸術文化論の視座から、環境・芸術文化論を展開したく考えている。 ★講義構成 第1部.環境教育と環境創造 01.オリエンテーション(谷口) 02.環境教育から見た環境創造(谷口) 第2部.環境創造の事例と方法 03.都市環境と緑地・里山(戸田) 04.都市ビオトープー環境創造―(戸田) 05.学校ビオトープー環境創造―(戸田) 第3部.環境と芸術 06.「環境芸術」における「環境」とは?(川田) 07.「環境芸術」のはじまり(川田) 08.「ミニマル・アート」から「環境」へ(川田) 09.自然環境と「アース・ワーク」(川田) 10.都市環境と「パブリック・アート」(川田) 第4部.自然・風景・文化論 11.自然美の普遍性と多様性(西) 12.風景と文化的アイデンティティ(西) 13.アジア的自然観の再検討(西) 14.日本的自然観の再検討(西) 15.まとめ 21世紀の環境創造と芸術文化論(谷口) |
博物館学T(C) |
担 当 :谷口 文章,戸田 耿介 配当年次:3・4年次 単位:2単位/講義日時:後期 火曜日 1時限 ★講義の目的・内容 地域文化や産業の再生、持続可能な社会づくり、伝統文化の伝承など、もう一度足元から我々の社会と生活の有り様を再構築する動きが、外因的にも内発的にも現れている。20世紀の効率主義と進歩思想によって失われた価値の再評価と新たな価値観の創造が求められている時代である。 博物館という社会装置はこのような現代的な課題に対して、どのように関わりを持つのだろうか? また、実際にはどう関わっているのだろうか。 各地にある博物館(類似施設を含む)を紹介しながら、生涯学習の場として市民の社会参加を下支えするその役割や実態、課題等について探っていきます。 ★講義構成 1.博物館と生態学【谷口】 2.生涯学習システムの中での博物館【戸田】 3.自然・科学博物館の現状(博物館の機能紹介)【戸田】 4.役割と機能の新たな展開(歴史的視点から)【戸田】 5.自然・環境系博物館の現代的な役割【戸田】 6.博物館体験交流(私の見た博物館)【戸田】 7.都市における博物館の魅力【戸田】 8.拡大する博物館の概念・地域おこしとエコミュージアム【戸田】 9.企業のCSR活動と博物館【戸田】 10.大学博物館の役割【戸田】 11.ネットワーク型博物館の可能性【戸田】 12.博物館と市民・NPOのパートナーシップ【戸田】 13.現代社会の課題に取り組む博物館や博物館類似施設【戸田】 14.博物館学と環境教育【谷口】 |
博物館学U(C) |
担 当 :谷口 文章,戸田 耿介 配当年次:3年次 単位:2単位 講義日時:前期 火曜日 1時限 ★講義の内容・目的 「対話と連携」を運営の基礎に据え、知識社会に応えるために市民とともに新しい価値を創造し、生涯学習活動の中核として機能する博物館が望まれている。特に、自然系博物館には環境問題への対応や科学・技術振興への寄与が期待されているが、多くの博物館(類似施設を含む)はこの要請にどう応えようとしているのだろうか。そのために必要とされる施設や組織はどのように構築され機能しているのか。その中で学芸員はどの様に活動しどの様な役割を果たしているのか。各地にある博物館の活動を紹介しながら、これからの博物館の社会的な役割を探ります。 ★講義構成 1.博物館と環境創造【谷口】 2.自然・環境系博物館の役割の新たな展開―人と自然の博物館を事例に【戸田】 3.博物館資料の収集と保存技術の動向【戸田】 4.博物館展示のあり方と学芸員の役割【戸田】 5.博物館資料の活用【戸田】 6.博物館の啓発活動と学芸員の役割【戸田】 7.環境問題と博物館等の取り組み【戸田】 8.まちおこし等に寄与する博物館の魅力【戸田】 9.博物館での市民参画をどう進めるか【戸田】 10.博物館体験(現地見学)【谷口・戸田】 11.学校教育と博物館との連携【戸田】 12.博物館の評価と運営のあり方【戸田】 13.博物館の役割と学芸員の位置づけ【戸田】 14.生涯学習システムの中での博物館【戸田】 15.予備日【谷口】 |
教職科目 |
総合演習@(環境教育の研究) |
担 当 :谷口 文章,橋口 誠 配当年次:4年次 単位:2単位/講義日時:後期 土曜日 3・4時限 隔週 ★講義の内容・目的 環境教育は教室の知識だけでなく、フィールドにおいて知識を獲得するスキルも学ぶ必要がある。教室では見出せない子どもの個性が野外で現れる。また、環境教育を通じた活動によって「心豊かな人間性」と「問題解決能力」を培うことができる。これらをディスカッション形式による演習の中でどのようにカリキュラムを作成しフィールド活動のトレーニング技術を身につけたらよいかを学ぶ。評価としては、受講者にモデル・プログラムの作成を課し、プレゼンテーションを行なう。 ★講義構成 第01回 オリエンテーション:(あいな里山国営公園)【橋口】 第02回 環境教育に関する教材@:里山保全活動(あいな里山国営公園)【谷口】 第03回 環境教育の意義と役割(環境教育野外施設)【橋口】 第04回 環境教育に関する教材A:作物と土に親しむ<稲刈り>(環境教育野外施設)【谷口】 第05回 学校における環境教育の推進, 環境教育の指導を通して身についた能力と態度(環境教育野外施設)【橋口】 第06回 環境教育に関する教材B<脱穀>(環境教育野外施設)【谷口】 第07回 学習指導要領に見られる環境教育に関わる内容の取り扱い(本校舎)【橋口】 第08回 各教科における環境教育の指導(本校舎)【谷口】 第09回 環境教育に関する教材・教具, 指導に関する実践事例T<夏野菜・米の世話>(本校舎)【橋口】 第10回 環境教育に関する教材・教具, 指導に関する実践事例U<プログラムの作成の基礎>(本校舎)【谷口】 第11回 環境保全の意欲増進と環境教育推進法(本校舎)【橋口】 第12回 シンポジウム「パートナーシップによる環境教育の展開(環境省)」(本校舎)【橋口】 第13回 収穫祭(餅つき大会・エコクッキング)<フィールドワークの実践>(環境教育野外施設)【橋口】 第14回 収穫祭(餅つき大会・エコクッキング)<フィールドワークの意味づけ>(環境教育野外施設)【谷口】 第15回 総合的な学習として行なう環境教育のカリキュラムづくり(本校舎)【橋口】 第16回 環境教育指導計画案(プレゼンテーションとレポートで評価)(本校舎)【谷口】】 |
総合演習A(環境倫理の教育) |
担 当 :谷口 文章,橋口 誠 |
特設科目 |
特設科目U(社会生活と倫理)(1クラス)(前) |
担 当 :谷口文章,黒田忠史,中山弘隆,林 満男,小島修一,宮澤敏文,山崎俊輔,中井伊都子,柳原初樹,笹倉香奈,阪 薫 配当年次:1年次 単位:2単位/講義日時:前期 金曜日 4時限 ★講義の内容・目的 本特設講義Uは、平生釟三郎の建学精神である徳育・体育・知育を学生生活に活かすために、一年次を対象に開講する。入学後、学生として自由を享受しつつ、規律ある学生生活を送るために、さまざまな学問分野の立場から、それぞれが持っている現実的な倫理問題を分かりやすく解説して、学生生活の有意義な過ごし方と社会人として通用する生活態度を探る。 ★講義構成 【総論】 第01回 4月 9日 よりよく生きるための「自由と規律」(学長:阪薫) 第02回 4月16日 現代における倫理(谷口文章) 【社会生活における倫理の役割】 第03回 4月23日 法と倫理(黒田忠史) 第04回 4月30日 経営と倫理(林満男) 第05回 5月 7日 資本主義と倫理(小島修一) 第06回 5月14日 刑事法と倫理(笹倉香奈) 第07回 5月21日 情報社会と倫理(中山弘隆) 第08回 5月28日 科学・技術と倫理(宮澤敏文) 【職業における倫理】 第09回 6月 4日 医療と倫理(ゲストスピーカー:谷荘吉) 第10回 6月11日 法曹と倫理(ゲストスピーカー:園田寿) 第11回 6月18日 メディアと倫理(ゲストスピーカー:小関道幸) 【現代社会における人権】 第12回 6月25日 地域社会・国際社会における人権尊重(中井伊都子) 第13回 7月 2日 異文化交流と倫理(柳原初樹) 第14回 7月 9日 スポーツと倫理(山崎俊輔) |
特設科目U(社会生活と倫理)(2クラス)(後) |
担 当 :谷口文章,黒田忠史,中山弘隆,林 満男,小島修一,宮澤敏文,津田信男,山崎俊輔,中井伊都子,笹倉香奈,阪 薫 |
甲南大学 広域副専攻科目 環境学コース |
環境倫理学 |
担 当 :谷口 文章 配当年次:1・2年次 単位:2単位 講義日時:前期 木曜日 3時限 ★講義の内容・目的 21世紀になって、地球環境破壊がますます進行しつつある。環境を復元するとともに、環境の保全を実行する必要性に迫られている。環境問題は、人間関係を中心とする従来の抽象的な倫理学では対応しきれない。環境問題の解決のためには、すべての生命との相互関係や世代間の倫理を含んだ広い具体的な枠組が要請されると同時に、理論的な規範を示す環境倫理学が必要とされている。本講では、種々の分野や学問における環境モラルを統括する「環境倫理学」を考察していきたい。なお、この科目は高大連携の科目でもある。 ★講義構成 第1回 地球環境問題と現状 第2回 伝統的倫理学でどこまでカバーできるか 第3回 環境倫理「学」の要請 第4回 地球環境問題の解決のためにT−動物・植物・自然物の権利と人間の義務− 第5回 地球環境問題の解決のためにU−世代間倫理,公平な配分の正義− 第6回 環境倫理にもとづいた環境教育の展開 第7回 ライフスタイルは変えられるか 第8回 「ライフ」の三つの次元の環境認識 第9回 生命の環境−衣・食・住をめぐって− 第10回 生活の環境−衣・食・住をめぐって− 第11回 人生の環境−衣・食・住をめぐって− 第12回 環境倫理にもとづいた環境教育の実践 第13回 環境倫理にもとづいた環境教育のネットワーク化 第14回 環境倫理による価値観の転換 第15回 予備日 |
環境教育の実践T |
担 当 :谷口 文章,太田 雅久,西 欣也,今井 佐金吾,浅野 能昭,中野 友博,大久保 規子,小島 夏彦,中井達郎,高阪 薫 配当年次:1・2年次 単位:2単位 講義日時:前期 土曜日 3・4時限 隔週 ★講義の内容・目的 環境教育のベースは自然環境にある。この授業では、教室での講義による環境についての知識を学んだ上で、それを実際に身体を使って体験するため、甲南大学環境教育野外施設(広野グランド)でのフィールド活動を行う。虫や植物の観察・地理調査、また自分たちで植えた野菜や米を世話することによって生命に触れながら、環境問題解決のための能力を身につける。なお、本講義では高大連携の科目でもあるので、フィールドでは教育実習的効果もねらっている。 (実習費:要、雨天決行<各自で雨具の用意をしてきてください。>) ※この講義は隔週で開講するので、講義日に注意すること。 ★講義構成 (第01回)オリエンテーション:「環境教育実践T」が目指すもの(本校舎)【谷口】 (第02回)キャンパス環境と規律(本校舎)【阪】 (第03回)キャンプ入門(環境教育野外施設)【中野・谷口】 (第04回)夏野菜の苗付(環境教育野外施設)【谷口・中野】 (第05回)地球環境とエネルギー危機(本校舎)【太田】 (第06回)エネルギー消費の実習(本校舎)【太田】 (第07回)日本の環境法(本校舎)【谷口・浅野・大久保】 (第08回)日本の環境行政と政策(本校舎)【浅野・大久保・谷口】 (第09回)田植え/ビオトープ(環境教育野外施設)【谷口・西】 (第10回)田植え/ビオトープ(環境教育野外施設)【谷口・西】 (第11回)地球環境と有害化学物質(本校舎)【今井】 (第12回)保全生物学と生物多様性(本校舎)【小島】 (第13回)自然観察の方法と夏野菜の収穫と手入れ(環境教育野外施設)【谷口・中井】 (第14回)自然観察の方法と夏野菜の収穫と手入れ(環境教育野外施設)【谷口・中井】 (第15回)予備日 |
環境教育の実践U |
担 当 :谷口文章, 茶山健二, 西 欣也, 鳴海邦匡, 浅野能昭, 中野友博, 大久保規子, 小島夏彦, 中井達郎, 阪 薫 配当年次:1・2年次 単位:2単位 講義日時:後期 土曜日 3・4時限 隔週 ★講義の内容・目的 環境教育のベースは体験学習にある。この授業では、教室での講義によって環境についての知識を学んだ上で、それを実際に身体を使って体験するため、甲南大学環境教育野外施設(広野グランド)でのフィールド活動を行なう。「環境教育の実践T」の授業で育てている野菜や米の手入れ、そして収穫を行う。それとともに土作りと、冬野菜の苗つけも体験する。フィールドで野菜の網焼きなど有機農業の恵みを味わう。調理も経験することで生命の循環、生命に感謝する心を養う。なお、本講義では高大連携の科目でもあるので、フィールドでは、教育実習的な効果もねらっている。(実習費:要,雨天決行<各自で雨具の用意をしてきてください>) ★講義構成 ※この講義は隔週で開講するので、講義日に注意すること。 (第01回)オリエンテーション:「環境教育の実践U」が目指すもの(あいな里山国営公園)【谷口・ゲスト】 (第02回)里山復元と自然観察(あいな里山国営公園)【谷口・ゲスト】 (第03回)稲刈り・アウトドア教育(環境教育野外施設)【谷口・中野】 (第04回)稲刈り・竹林間伐・クラフト体験(環境教育野外施設)【谷口・中野】 (第05回)河川生態系と河川管理(環境教育野外施設)【小島】 (第06回)脱穀(環境教育野外施設)【谷口・小島】 (第07回)さんご礁と地球温暖化(本校舎)【中井】 (第08回)古地図から読み解く環境の変化(本校舎)【鳴海】 (第09回)環境ホルモンの測定(本校舎)【茶山】 (第10回)文学と心の環境(本校舎)【高阪】 (第11回)環境保全活動と環境教育推進法(本校舎)【大久保・浅野】 (第12回)シンポジウム「パートナーシップによる環境教育の展開」(本校舎)【浅野・大久保】 (第13回)収穫祭:餅つき大会(環境教育野外施設)【谷口・西】 (第14回)収穫祭:餅つき大会(環境教育野外施設)【谷口・西】 (第15回)予備日 |
甲南大学 広域副専攻科目 健康科学コース |
心身論 |
担 当 :谷口 文章 配当年次:1・2年次 単位:2単位 講義日時:後期 木曜日 3時限 ★講義の内容・目的 心身論、つまり精神と身体は二元論か相関論かの問題を、哲学・心身医学・心理学・宗教の立場から考察する。第一に、哲学の立場から、デカルトの心身二元論の思想の流れと、現代に対する影響を述べる。第二に、精神・心理的立場から、心身相関論と東洋医学の思想について論じる。ここでは具体的に、催眠療法や箱庭療法の事例を検討する。第三に、現代における心身論の課題を臨死体験や仏教思想などを通じて、宗教的次元から考察する。 ★講義構成 第01回 序論 第02回 心身論の思想的歴史 第03回 デカルトの心身二元論 第04回 心身二元の心への一元化 第05回 心身二元の身体への一元化 第06回 心身相関論 第07回 心理学的視点からの心身相関論 第08回 東洋医学的視点からの心身相関論 第09回 自律訓練法の実際 第10回 宗教における魂の問題をめぐって 第11回 アニミズムをめぐって−自然との心身の調和− 第12回 臨死体験をめぐって−死後の魂についての示唆− 第13回 宗教における魂の救い 第14回 まとめ 第15回 予備日 |
甲南大学 修士課程 人文科学研究科 人間科学専攻 |
人間科学演習 |
担 当 :谷口 文章 単 位 :8単位 講義日時:2010年度前期(金曜5限)〜2011年度後期(金5限) ★講義の内容・目的 人間・環境学を中心とした本演習では、一方で人間と環境についての新しい理論を研究しつつ、他方で臨床的・フィールド的な身体的知恵を培っていく。このような理論の探求では、人間をめぐる環境倫理と生命倫理の研究が必要となる。 そこでまず、パーソナリティと心の形成のメカニズムを明らかにする。次に、人間が地球環境の破壊をもたらした原因を追求し、環境倫理学の構築をめざす。さらに、環境の主体である生命の概念と深くかかわる医療環境や脳死・臓器移植そして癒しの諸問題を、生命倫理学の立場からとりあげる。 また、フィールドのアクティヴィティ(甲南大学環境教育野外施設のフィールド活動や国営明石海峡公園「あいな里山公園の創造」[国土交通省]のような環境活動など)を通じて、人生の諸問題を解決する能力である「知恵」をみがく。さらに、例えば自然環境において身体行為を伴った環境教育をおこなうことによって,心に病いをもつ現代人を健全なものにする試みも実施する。。 ★講義構成 【1】環境に関する古典の文献研究 【2】フィールドワーク体験の研究 【3】修士論文指導 |
人間・環境学特論 |
担 当 :谷口 文章 単 位 :2単位 講義日時:後期 木曜日 2時限 ★講義の内容・目的 第一に、「人間」については、自己の生成について考える。人間の精神と心の形成は自己関係を基本とする。しかしながら自己関係における「自己の確立」を考察すると、現代社会では自我の確立どころか自己概念の把握も充分ではなく、現実に浮遊した「自分」が散在している傾向がある。そのために自己の再確立をめざして哲学的・心理学的レベルで人間の全体像を環境との関係を通じて分析する。言うまでもなく人間の形成には、自己関係だけでなく、自他関係が必要である。この場合の「他」を他人でなく「環境」にまで拡張する必要がある。 第二に、「環境」学に関しては、各生命主体において他者としての“環境のリズム”と自己としての“内的リズム”が合致する方法を検討する。つまり,人間の全体的能力を発揮するために外界と内界のリズムが一致しなければ、人間が健全な状態で生きていくことはできないからである。 最終的には、人間の形成を自己関係(精神・心の形成)と自他関係(人間と環境の相互作用)の視点から明らかにした上で、人間存在についての環境問題を考察する。。 ★講義構成 1.現代の人間像 2.持続可能な環境システム論 3.21世紀における人間と環境の検討 |
環境教育学特論 |
担 当 :谷口 文章 単 位 :2単位 講義日時:前期 木曜日 2時限 ★講義の内容・目的 環境問題を解決する方策の一つとして、環境教育が推進される必要がある。従来のテーマが「自然環境」や「社会環境」の破壊に焦点が合わされてきた。しかし、現在の社会状況を考えると、さらに「精神や心の環境」の問題にまで、環境教育のテーマは拡張されねばならない。 「環境教育」は、学校教育で近年盛んにおこなわれてきている。しかし、それは総合的学習という性格を有するため、指導者、個人個人において異なる方法論で実施されている。子どもの可能性を伸ばす意味で「総合的な学習の時間」は、一方において可能性を秘めた魅力的なものでありつつも、他方において評価や内容に関して方向づけが十分でない。そのために、理論的枠組みを与える「環境教育学」の確立が望まれる。それは、環境教育に関しての哲学であり、環境教育に関しての教育原理である。 さらに、Think globally, act locallyといわれるように、地域的な環境活動とともに、e‐ラーニングによる地球規模の環境教育ネットワークを拡げることも経験したい。タイ・プラナコーン=ラジャバト大学や中国・北京大学、マレーシア・マラヤ大学ともリアルタイムに結びつけて講義をする予定である。 ★講義構成 1.環境教育学の展望 2.「総合的な学習の時間」と生涯学習−環境教育学の具体的展開− 3.国際的環境教育の動向と地域における環境教育 4.環境教育の国際的ガイドラインの構築 5.環境教育の国際・国内ネットワーク化 |
国際環境ネットワーク |
担 当 :谷口 文章,マノジュ・L・シュレスタ,西 欣也,浅野能昭 単位:2単位 講義日時:前期 土曜日 1・2時限 隔週 ★講義の内容・目的 地球環境問題の解決のためには、「グローバルに考え、ローカルに活動する」ことが重要である。そのため、本講義においては、グローバルな視野から海外の環境情報や環境教育の現状について知るために、テレビ会議システムを利用し、ラジャバト=プラナコーン大学(タイ)、北京大学(中国)、マラヤ大学(マレーシア)、環境省、国土交通省等と甲南大学を結び、リアルタイムのe−Learning(遠隔授業)を行う。それぞれの大学や機関はゲストとして、メッセージや情報を送ってもらう予定である。海外との講義は英語で行なう。なお、本講義は教職科目、学芸員科目にも充当できる。 ★講義構成 第1回 オリエンテーション:「本講義が目指すネットワーク」:担当者(谷口) 第2回 環境省からのメッセージと国際環境政策:担当者(谷口,環境省きんき環境館) 第3回 農業と環境:担当者(ゲスト) 第4回 タイにおける地球温暖化活動:担当者(谷口,チナタ・ナガシンハ:プラナコーン大学) 第5回 地球環境問題とチベットの環境教育:担当者(シュレスタ) 第6回 タイの農業と環境:担当者(谷口,シリワット・スンダロトック:プラナコーン大学) 第7回 自然観の比較文化論:担当者(西) 第8回 国営あいな里山公園(「あいなの郷」創造活動):担当者(谷口,西,国土交通省) 第9回 中国の環境教育の政策と北京大学の環境教育:担当者(谷口:北京大学) 第10回 タイ・中国・日本の環境教育ネットワーク:担当者(谷口,チナタ・ナガシンハ:プラナコーン大学) 第11回 北海道と九州の国立公園の環境保全活動:担当者(谷口,浅野:環境省) 第12回 マレーシア・日本の環境教育ネットワーク:担当者(谷口,バハルディン) 第13回 まとめ−地球環境問題の解決に向けて−:担当者(谷口) 第14回 TV国際シンポジウム:担当者(谷口,スンダロトック,ナガシンハ) |
国内環境ネットワーク |
担 当 :谷口 文章,西 欣也,今井 佐金吾,浅野能昭,高阪 薫 単位:2単位 講義日時:後期 土曜日 1・2時限 隔週 ★講義の内容・目的 地球環境問題の解決のためには、「グローバルに考え、ローカルに活動する」ことが重要である。本講義においては、日本においてのローカルな活動を主として学ぶ。そのために、テレビ会議システムを使用し、宮城教育大学、広島修道院大学、環境省きんき環境館、国土交通省等と甲南大学のネットワークを結び、リアルタイムでのe‐Learning(遠隔授業)を行い、各大学や研究機関で行なわれている環境教育について学ぶ。それぞれがゲストとしてメッセージや情報を送ってもらう予定である。なお、本講義は教職科目、学芸員科目にも充当できる。 ★講義構成 第01回 オリエンテーション:本講義が目指すネットワーク:担当者(谷口) 第02回 環境省からのメッセージと国内における環境政策:担当者(谷口/環境省きんき環境館) 第03回 日本における林野政策と森林環境教育(谷口/ゲスト) 第04回 北海道・九州の国立公園におけるマネジメント:担当者(谷口・浅野) 第05回 地方環境行政における環境政策:担当者(谷口/大阪府) 第06回 国営あいな里山公園(「あいな里山」復元活動):担当者(谷口/国土交通省) 第07回 大気汚染・ダイオキシン・環境ホルモン問題:担当者(谷口/今井:広修大) 第08回 広島修道大学における環境教育の取組:担当者(谷口/今井:広修大) 第09回 環境問題と化学物質(今井:広修大) 第10回 宮城教育大学における環境教育のアーカイヴ化の展開:担当者(谷口/宮教大) 第11回 コメと環境文学:担当者(高阪) 第12回 沖縄の環境にみる伝統文化:担当者(高阪) 第13回 環境芸術文化論:担当者(西) 第14回 まとめ:国際環境ネットワークと国内環境ネットワークとのリンク担当者(谷口) |
フィールドワーク特論Ta(前期)(隔週) |
担 当 :谷口 文章 単 位 :2単位 講義日時:前期 土曜1・2限 ★講義の内容・目的 地球温暖化などにみられるように今日地球環境問題は、深刻化している。その解決方法の一つとして、環境問題を見る眼を養うためには、フィールドワークに基づく調査がベースとなる。森林や里山景観の変化を観察することによって、山−川−海−森の生態系の連関を知ることができる。また教室の中で培った「知識 knowledge 」は、フィールドにおいて「知恵 wisdome 」へと転化させる必要がある。 これらのことを目指して、国営明石海峡公園(国土交通省)「あいな里山公園」において、里山の現状と生態系、また伝統文化の保存について調査する。 ★講義方法 @隔週土曜2限連続の調査を、あいな里山公園にて実施する Aフィールド調査 Bグループ・ディスカッション Cプレゼンテーション ★講義構成 ○次のテーマを中心に、フィールド調査を実施 【1】生物多様性と稀少種の問題 【2】地域再生の問題と文化保存をめぐる問題 【3】公園にどのように環境教育を導入するかの検討 ・グループ・ディスカッションなどを通じて、最後の講義では、調査の成果を各自発表する |
フィールドワーク特論Tb(集中) |
担 当 :谷口 文章 単 位 :2単位 講義日時:集中講義 ★講義の内容・目的 地球温暖化などにみられるように今日地球環境問題は、深刻化している。その解決方法の一つとして、地球環境問題を見る眼を養うためには、フィールドワークに基づく調査がベースとなる。本講義では海外の環境調査を集中講義で行なう。隔年ごとにタイ・プラナコーン=ラジャバト大学、マレーシア・マラヤ大学、カナダ・ヴィクトリア大学、中国・北京大学のいずれか一大学を訪問する予定である。海外にでない隔年は甲南大学を拠点に、北京大学などの学生を受け容れ、日本国内の環境関連施設や地域へのフィールド調査を実施する。本年度は、甲南大学に海外の大学の大学院生と本学の学生がともに国営明石海峡公園「あいな里山公園」の里山再生活動に参加する予定である。 ★講義方法 【1】10日間の集中講義を実施する。初日と最終日は本学で講義。残りはフィールド調査。 【2】調査場所:あいな里山公園(神戸市北区),淡路島モンキーセンター(淡路島・洲本市) 【3】日本とアジア・エリアにおける環境教育の比較検討 ★講義構成 ○次のテーマを中心に、フィールド調査を実施 【1】国際的な生物多様性と稀少種の問題 【2】グローバルな視点とローカルな活動 【3】各国にどのような環境教育の共通のガイドラインを導入するかの検討 ○グループ・ディスカッションなどを通じて,最後の講義では調査の成果を各自発表する. |
フィールドワーク特論U(後)(隔週) |
担 当 :谷口 文章 |
甲南大学 博士後期課程 人文科学研究科 人間科学専攻 |
人間科学研究演習T・U・V |
担 当 :谷口 文章 単 位 :4単位 講義日時:集中講義 ★講義の内容・目的 人間・環境学を中心とした本演習では、一方で人間と環境についての新しい理論を研究しつつ、他方で臨床的・フィールド的な身体知(人生問題の解決能力である知恵)を培っていく。このような理論の探求では、人間をめぐる環境倫理と生命倫理を研究することになる。 まず、パーソナリティと心の形成のメカニズムを明らかにする。次に、人間が地球環境の破壊をもたらした原因を追求し、環境倫理学の構築をめざす。さらに、環境の主体である生命の概念と深くかかわる医療環境や脳死・臓器移植そして癒しの諸問題を、生命倫理学の立場からとりあげる。 このように、人間と環境を形成する理論は、生命(いのち)のケアによる臨床知やフィールド体験による身体知から獲得されることを忘れてはならないであろう。その意味で甲南大学環境教育野外施設のフィールド活動や国営明石海峡公園「あいな里山公園の創造」のような環境活動など)を通じて、人生の諸問題を解決する能力である「知恵」をみがく。さらに、例えば自然環境において身体行為を伴った環境教育をおこなうことによって,心に病いをもつ現代人を健全なものにする試みも実施する。 さらに、本校と姉妹校である中国・北京大学環境科学工学院、マレーシア・マラヤ大学CCDセンター、さらにタイ・プラナコン大学環境教育センターと人間および環境に関して国際的な研究・人脈交流をはかる。 ★到達目標 文献を精読し、人間・環境学の現代的諸問題を取り上げて考察する。また、各自の研究テーマに応じて、論文指導を行なう。 ★講義構成 1.人間・環境学に関する文献研究 2.フィールドワークによる実践研究 3.論文指導 |
環境・芸術・思想特殊研究V |
担 当 :谷口 文章 単 位 :2単位 講義日時:後期 火曜日 3時限 ★講義の内容・目的 現代思想の大きな領域を占める「環境思想」について考察する。そのために、環境学と環境教育学の原理論を検討する。まず、環境学についての研究は、英語ではEnvironmental Studies といわれるように複数の学問領域にわたることが示唆される。もし単数ならEnvironmental Science という環境科学となろう。それに対して「環境学」は,複数の領域の学を統合する原理論ということになる。したがって、地球環境問題は環境学の総合的視点から検討されねばならない。 次に、環境教育は、内面的に心豊かな子どもを育てるとともに、外面的に循環型社会を実現する実行力のある子どもを育てることを目的とする。そこで「環境教育学」は、心の環境を健全なものにする理論的枠組みを与えるとともに、実践的な問題解決能力を培う環境教育の哲学ということになる。 こうした二つの領域をめぐる環境思想および環境教育思想を考察する予定である。 ★到達目標 人間・環境学に関するさまざまなテキストを取り上げ、文献研究を行なう。またテーマに応じて、プレゼンテーション・ディスカッションを行なう。 ★講義構成 1.環境学の確立に向けて 2.環境教育の哲学のために 3.国際環境ネットワークの構築 |
2007年度シラバス 2008年度シラバス 2009年度シラバス |