稲刈り

 10月12日、大学生と甲南女子中高・甲南男子の生徒と稲刈りをおこないました。鎌で一株づつ刈っていき、2〜3束を1まとめにして、ワラでくくっていきました。初めての体験だった生徒が多く、刈り方もぎこちなかったのですが、大学生に教えてもらったり、自分で良い方法を見つけ出したりして徐々にうまくなっていき、作業はスムーズに進んみました。
 また、刈った稲を2〜3束づつにまとめてワラでくくる作業も、伝統的な方法であり、生徒たちには初めての経験でした。この場面でも大学生が高校生に教え、高校生が中学生に教えるといった知恵の伝達も見られました。
 また、乾燥した田んぼに、カエルやクモ、バッタが見られ、手でつかんで観察する生徒もいて、生物との触れ合いの場面も見られました。カエルやクモを見て恐がる女子生徒もいましたが、抵抗なく触れる生徒が多くいました。普段は小動物に触れる機会がないので苦手なのではないかと心配しましたが、虫に触れる生徒がいることに安心しました。
 
最初、生徒たちは刃物を扱うことに抵抗があったようです。それは普段の生活に刃物を使う場面がないからでしょう。作業をする前に注意したこともあり、生徒たちは集中して作業を行い、周囲のことを考え、行動することを学ぶことができたと思います。野外で刃物を使うことは、危険はありましたが、農業では危険な仕事もあるということを知ってもらえたと思います。
 稲刈りは、生徒達にとってとても新鮮で楽しい経験となったようです。それは、作業をしている顔にその熱心さや楽しさが見られたからです。生徒のなかには「毎日稲刈りがあったらいいのに」、「来年もきたい」といった声も聞くことができました。このような生徒のいきいきとした表情や、自らが興味を持って行動しようとすることが、決してふざけて遊んでいたり、自分勝手な行動をとって集団から外れているのではなく、集団社会の中で生活しながらも個性的な自己を育てる力の育成につながっていくのではないかと考えます。いきいきとした生徒たちの顔を見ることができ、充実したものとなりました。

 

稲刈り


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